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交流の場

スペイン・ビルバオの都市再生
  • 名前:まんじゅうSUN
  • 卒業学部:人文学部
  • 卒業年:1977年卒
  • 回:第7回
念願であったサン・セバスティアン(スペイン)のバル巡りに行ってきました。
2月中旬、ドイツ・フランクフルト経由でスペイン北部バスク地方の玄関口ビルバオ空港に入り、サン・セバスティアン、バルセロナを回る旅です。
今回の旅までまったく知らなかった「ビルバオ」について、強い印象を受けたので紹介したいと思います。
ビルバオはバスク州ビスカヤ県の県都(人口35万人)ですが、基幹産業であった製鉄業・造船業が20世紀末に急速に衰退、失業率の上昇や人口減少、環境汚染などの課題に直面したそうです。
このため、自治体・バスク自治州政府・民間企業が連携し、1980年代から現在まで段階的に進化しながら都市再生に取り組み、「ビルバオ効果」として知られる成功を収めたようです。具体的には老朽化した港湾・工業地帯を文化への投資を中心に再開発するとともに、 河川の水質改善や都市公園・歩行者空間の拡大など都市環境の再生、文化創造産業やサービス産業などへの産業構造の転換、都市再開発と連動した地下鉄や空港の近代化(新ターミナル)など交通インフラの整備に取り組んだようです。
特に注目すべきは、文化を都市ブランドと経済再生の核に据え、文化施設の整備のみならず文化創造産業の育成に努めたということです。その結果、近代建築と歴史的街並みのコントラストやピンチョス(パンの上に具材をのせ、つまようじで留めるなどした一口料理)に代表される食文化ともあいまって文化観光都市として急成長を遂げております。
再開発地域には世界的な著名建築家によるランドマーク的建築が多数ありますが、今回の旅では、その象徴的存在と言われるビルバオ・グッゲンハイム美術館(ニューヨークのグッゲンハイム美術館の分館として1997年開館)を訪問してきました。美術館には金沢21世紀美術館や十和田市現代美術館と同様に現代美術が展示されておりますが、目をみはるような大型の作品もありますが、(私見ですが)小ぶりな前衛的な作品が多かったような気がします。一方で、建物はチタニウムやガラスを多用した無規則な外観となっており、その革新性は訪れる我々を圧倒させるものでした。(別添写真 1枚目:建物 2枚目:外部 3枚目:内部)
日本人を含む著名な建築家による建物も写真で紹介したかったのですが、雨の中の車窓からの撮影ということで、上手に撮れていなかったので省略します。
日本が本格的人口減少社会を迎える中、交流人口の拡大を目指して交通インフラの整備を第一の課題として掲げる地域が多くなっておりますが、ビルバオの例をみると、交通インフラ整備優先ではなく、まず第一に長期的かつ総合的な地域ブランド戦略を考えていく必要性を痛感したところです。
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